感想

鮨職人VS.堀江貴文 【感想】

タイトル:鮨職人VS.堀江貴文
著者  :堀江貴文
発行日 :2018年12月20日

本書は、かの有名な堀江貴文さんと、有名鮨屋を切り盛りする一流の鮨職人との対談を記録した一冊である。
まず始めに、堀江さんのキャラクターが苦手な人もいると思うが安心していただきたい。
本書では、堀江さんの鮨職人へのリスペクトが感じられ、個人的には好感を持った。
堀江さんは聞き役に徹し、相手の意見を肯定的にとらえ相槌を打っている。
また、食通であち、知識も深いため話の展開がうまい。
ということで、先入観を無くして読むとよいと思う。

本書には7人の鮨職人と堀江さんの対談が記録されている。
この7人は、三、四十代と鮨職人としては若手の年代だが、成功を収めている。
堀江さんの言葉を借りると「旧世代の呪縛から脱却し、自分のやり方で店を繁盛させている7人」である。
旧世代の呪縛といえば、以前、堀江さんが「鮨職人になるために何年も修行をするのは馬鹿」という発言で炎上したが、鮨屋の世界はそう言った伝統やしきたりが重い世界だというイメージがある。
本書に登場する鮨職人は、古い文化にとらわれることなく、それぞれの考え方をもって成功している。

特に印象的だったのは、SNSに関する話題である。
LINEを使えば市場に行かずとも仲買人とやり取りができる、FacebookやInstagramを使って情報を発信すると世界中からお客さんが来る、というように鮨屋の世界にも変化が起こっている。
変化の速い現代、変化に適応できないものから淘汰されていくはずだ。
それは全ての業界に共通だろう。
古い考えが重い鮨屋の世界で、自分の価値観をしっかり持ち、伝統を守る、積極的に変化をするというそれぞれの形で成功を収めた鮨職人の考え方は、大変参考になるものだと考える。

一読の価値ありです。